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【抗 議 声 明】

 本日(7月13日)、西川正勝さん(大阪拘置所)、住田紘一さん
(広島拘置所)に死刑が 執行されたことに対し、強く抗議する。

 これで安倍晋三内閣は第一次で10人、第二、三次で19名、合計2
9名という近年では最多の死刑を執行したことになる。金田勝年法務大
臣は内閣改造を目前にしたこの時期に、執行の責任追及を逃れるかのよ
うに執行を行った。

 西川正勝さんは、確定後に自力で再審請求や恩赦の出願を繰り返し
行っていた。再審請求が、今年5月11日に最高裁で特別抗告が棄却さ
れたあと、更に再審請求をしていたにもかかわらず執行された。再審請
求中の執行は、1999年12月17日の小野照男さん以降二人目とみ
られるが、私たちFORUM90が2011年に行ったアンケートに
は、「いい加減な鑑定をし私を死刑囚とした裁判官を絶対許すわけには
いきませんので、最後の最後まで悔いを残さぬよう戦っていきます」と
書いてきている。
 住田紘一さんは、2013年2月岡山地裁の裁判員裁判で死刑判決を
受け、翌月には自ら控訴を取り下げ、死刑を確定させている。死刑事件
では必要的(自動)上訴制度の導入を行い、三審での裁判を受ける権利
を保障すべきにもかかわらず、十分な審理を経ることなく執行されたの
である。

 日本政府は、すでに世界の70%の国と地域が死刑を廃止しているこ
とに目を向け、また死刑に誤判が不可避であることを理解し、さらに先
の世論調査で終身刑を導入すれば死刑を廃止してもよいとする意見が4
0%近くに及んでいることを踏まえ、死刑執行を停止して、広く社会に
向かって死刑廃止に向けた議論を開始すべきである。

 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、金田法務
大臣に処刑された西川正勝さんと住田紘一さんに代わり、そして、死刑
執行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わって、金田法務大
臣に対し、強く、強く抗議する。

2017年7月13日

  死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90